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木製橋梁の設計

鉄道の橋梁にはほとんど使用されていない木材ですが,森林鉄道や古い時代の鉄道には丸太を組んで架けられた橋があります。

このような橋を模型化することを検討しましたがうまくいきません。人と模型との融合が必要な庭園鉄道には「独自の形態」があるのが当然で,白紙から設計 することにしました。

伐採した唐松の太い幹をそのまま橋脚にすれば素材の特徴を活かした使い方になり,単純な構造の橋に することが出来ます。これなら設計目標の「庭園鉄道の独自の形態」に適うと思います。
木造橋の工法と形

(木組の工法) 自然の形そのままで,丸太をログハウスの様に組む構造は私にはカットが上手くできず正確に作れません。
そこで,普段から丸太細工に使っている方法(丸太と2×4材を組み合わせてボルトで 組立てる方法)で作ることにしました。この方法は作り易く,丸太だけを組みあわせた構造よりも精度が良く,修正も簡単に行えます。

(橋の形) 架橋場所の地形は30°位の急な斜面で,ここを斜めに横切る形で架橋し,橋の両端にはそれぞれ緩い曲線レールが一部かかります。

(1) 軌道面の高さは一方が地上1.1m,他方が1.8mになります。高低差がありますが橋脚の高さは丸太の長さを変えれば自由に対応できるので問題はありません。

(2) 橋の両端には緩い曲線レール区間があります。ただ,この区間で橋自体を曲げることはせず橋は全長3.2mの直線状にしておき,上から見た形を長い台形にして両端のカーブに対応させます。直線にして材木を途中で接がず,入手しやすい12F(フィート)の2×6,2×4 材をそのまま1枚の板として使うことにしました。

第2橋梁・設計図


 

橋脚

使用するのは唐松の丸太で直径は30cm位のものにしました。5インチゲージの軌きょう(枕木の長さが25cm)を載せるのに適した太さです。上写真

1本の丸太を立てて橋脚とするので製作は簡単ですが,コンクリートの基礎部分は太い丸太を使うのでやや大きくします。
丸太を地面から10cm以上離す高さと最大120kgw程度の荷重を支えるために底面の広い基礎にしました。

橋脚の基礎への取り付けはホームセンターで売っている建築金物の羽子板付きボルト(長さ285mm,径12mm)を使います。

橋桁

腐り難い樹種にすることも考えましたが改良や部材交換が容易な構造なので,最も価格の安いSPF,2×6,12F(フィート)材にしました。
模型なので橋梁でも恒久的なものでなく破損,消耗した部分を作り直すことを前提にしています。壊れたら,次は違う形のものを作って楽しむ・・・,それでも腐食は嫌なので頻繁に塗り直し,アクリル板の雨除けを付けることでSPF材を長もちさせます。

橋桁と橋脚の結合は長さ240mm,径12mmのボルトを1箇所あたり2本使用します。

道床と軌きょう

平行に並べた2×6材の縦桁(橋梁用語)の上に直接軌きょうを取り付けず,桁と枕木との間にアクリル板を挟む構造にしました。

このアクリル板は木部の防腐の目的と軌きょうを2本の桁ではなく広い面の緩衝材の上に載せた状態にしますので道床に近い安定度が得られると思います。枕木は適当な間隔でこのアクリル板にネジで固定します。
木材の腐食は木の接合部や木口に集中するので橋脚の木口部分には別のアクリル板を笠木の様に取付けます。

元々第2橋梁は「橋梁の模型」ではないので,橋梁用の長い枕木とはせず通常の軌きょうを敷設します。機能を優先し橋の上にアクリル板の「道床」があっても気にしないことにします。

防護柵

すべての荷重は直接橋脚にかけるので重量を支える役目のトラス桁は必要がありません。
ただ,転落を防ぐ防護柵が必要なのでデザイン上からトラス橋の様に見える防護柵にしてみました。
 
トラス桁を台形にして赤や緑に塗ると玩具感覚の遊園地のトラス鉄橋〈右図〉になり,四角形を基本にして自然な色合いにすると木製デッキの手摺風〈上図〉になると思います。

第2橋梁は周囲の景観に合う木製デッキのタイプで造ることにしました。
 
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