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  連結器/ 1号・蒸気機関車

中間引き棒による連結

蒸気機関車の運転は電気機関車に比べるとずっと 多くの操作をしなければなりません。

運転が楽に出来ることが必要で運転用の車輌を機関車に連結し,この車輌に乗って機関車を操作します。

連結する運転用車輌と機関車との関係はテンダー機関車が炭水車を牽いて走る関係に近く,両者を一対のものとしました。他の車輌と連結することを考慮しなければ中間引き棒(ドローバー)の形が最適です。

〇上図A・・・中間引き棒で牽引力を伝えるとき,支点では2つの回転軸(X,Y)方向の回転が出来る様にします。
図中のZ軸方向にも捩れの回転力がはたらきますがこれは取付け箇所の「遊び」で吸収できる程度です。
 

〇上図B・・・《1号機関車》の条件に合わせた中間引き棒の取付け方です。牽引力の伝達には引き棒を水平にするのが良いので,運転用車輌(5インチゲージ)の高さに合わて機関車(3インチ半ゲージ )側は床板の上に取付けます。そのためX方向の回転軸は端梁の外側に移動しました。

中間引き棒の形

引き棒の材料は丸棒ではなく ,コの字形の断面をした薄い鉄板(チャンネル)を使うことにしました。
チャンネル材にすると水平/鉛直,いずれの方向の関節構造も作りやすくなり回転軸を通すだけで手軽に作れます。

右図のように,3個の部品を3本のネジで組立てるだけ,簡単な構成です。
機関車側の取り付けピンが縦方向の回転軸(Y軸),引き棒の中央を長いネジを通して組立て,水平方向の回転軸(X軸)にもします。

(余談)この形はよく見掛ける「ある物」の形です。模型作りは実物の部品を 土台にしますが,ここでは全く関係が無い物をヒントにしました。そのため,引き棒の形は参考にした「ある物」に穴の位置までそっくり似ています。

中間引き棒の製作

製作材料のCチャンネルは廃材の利用です。
Fケーブルなどの露出配線を保護する「メタルモール」のカバーをカットして作りました。

(写真
材料の 形状からもモールのカバーを使っているのが一目瞭然です。表面の丸味などモールそのままです。

中間引き棒の中央が折れるように加工するのが唯一の細かい「工作」です。 少し折れ曲がればよいので蝶番部分を小さくすることができます。
中間引き棒の先端片側(機関車側)には取付け支点になるピン孔,他端(運転用車輌側)は連結用の金属片を付けます。この金属片は標準連結器の部品Eと同形で,一般の連結器とも連結が可能になります。

(写真)
中間引き棒を裏返しして見ると,上記(余談)の答えが分かる形です。コの字形の針で用紙を綴じる事務用品ですが,針の補充をするときに開くと正にこの形です。それを真似ているので当然ですが・・・。
完成した中間引き棒

3インチ半ゲージの機関車が5インチゲージの運転用ボギー車を牽引します。

ゲージの違いは連結面の高さが異なることになりますが,他の5インチゲージの車輌にも連結できるように5インチゲージの高さに揃えて中間引き棒を取り付けました。

(右写真)
 高い位置になるため,機関車の床板に直接取り付けた中間引き棒です。既設のネジ連結器との2段重ねです。

中間引き棒は普段は外しておきます。簡単に外せるように1本のピンで取付けました。

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