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汽笛吹鳴標識

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「汽笛吹鳴標識」という名前は蒸気機関車の走っていた時代を想い起こさせます。
この標識の役割から考えて,多くの地方ローカル線が廃止された今日では設置数も減少していると想像されます。

交通博物館(東京/万世橋/2006年閉館)に展示されていた現物の説明文には「踏切の通行者に対し注意を促すため,この位置で運転士に警笛を鳴らすように指示しています。」 とありました。

汽笛の構造が変わっても,「汽笛」が安全のために欠くことのできない「合図(鉄道用語)」であることは今でも変わりありません。

(1) 標識板と土台

汽笛吹鳴標識も他の標識と同じ縮尺比,2/8.4(スケールの2倍の大きさ)で作ることにしました。

原寸を基に した,標識板のサイズは右図のようになります。(単位mm)

速度制限標識などに比べるとこの標識板はかなり小さく,バランスから支柱も細くすることにしました。

このため,強度的に金属支柱にする必要があり,土台には金属支柱を取り付ける「ひねり金物」)を埋め込んだ構造です。(日曜大工で羽子板付き土台と呼ばれている形です。)

(2) 標識の製作

標識板 小さな標識板なので,強度や耐久性をそれほど心配しなくてすみます。そこで加工に手間のかかるトタン板などを使用せず,耐候性のあるアクリル板を使うことにしました。

アクリル板の厚さは5mmあり,割れる心配がないので支柱への取り付けは2本のネジだけでとめます。体裁をよくするため支柱に2mmのネジを切って,目立たない様にします。

標識板の色はホームセンターで販売されている色から選んだので選択の余地がありません。黄色とオレンジの中間をとって「オレンジイエロー」を選びました。(交通博物館に展示されている現物よりはオレンジ色に近い感じがします。)

黒の十字はマスキングテープを2回に分けて貼り,黒色のラッカーを吹き付けました。

支柱 アルミ平角棒(黒色)を支柱に加工しました。(10mm角のアルミ黒色棒が最適ですが,入手できず10mm×5mmの平角棒です。)

棒の上部には標識板を取り付ける,径2mmのネジを2箇所切り,下部には取り付け金具を付ける径4mmのネジを2箇所切りました。(木に比べ金属支柱にはいろいろ「小細工」が効きます。)

土台 支柱を取り付ける 金具には屋根の垂木をとめる(タルキドメ=ひねり金物)を使いました。
(写真
※1) 黒い支柱の先端に付いている金色の金具がタルキドメです。 写真一番下のタルキドメ のように,高さ調節と抜け防止のために下部をL字型に曲げてコンクリートの中に埋めます。

コンクリートの型枠の代用にペットボトルを利用する簡便な製作方法です。(下記・補足)

(1) ペットボトルを上下に2分割し,上部に切れ目を入れて下部に嵌め込めるように準備します。

(2) 下部のペットボトルにコンクリートを入れます。

(3) コンクリートが適当な硬さになったとき,中央に取り付け金具をさし込みます。金具が中央で垂直に保持されるように上部のペットボトルで蓋をします。
(写真
※2)取り付け金具が小さいので支柱を付けてコンクリートにさし込み,上半分のペットボトルの蓋で支柱が垂直になる位置に固定し固めます。

(3) 汽笛吹鳴標識

完成した汽笛吹鳴標識です。

写真(下左)支柱 を取り付けた土台を裏側から見た様子です。
写真(下右) 鉄道標識をガーデニングのアクセサリーに使えないかと・・・・
線路がない所では評判がよくない様です。

 製作メモ  材料費 (5組分)・・・・ アクリル板(端材なので) 0円,アルミ黒色平角棒(長さ2000mm,10mm*5mm角),1本 630円, タルキドメ @32円(5個) 160円,セメント・砂・砂利 約150円  塗料 約300円,ネジ 約100円  合計(約)1340円(1組当たり268円)

●製作時間 (5組分)・・・・ アクリル板加工(4時間),支柱製作(2時間),塗装(5時間),土台製作(5時間)

●ペットボトルの型枠・・・・ コンクリート工事の際,コンクリートが余分に残ってしまうことがあります。これを無駄にせずに利用したのがペットボトル型枠の始まりです。
半分にカットしたペットボルトの中に余ったコンクリートを入れ,園芸用の支柱を挿して固めると土台付きの園芸支柱ができます。支柱を地面に挿さなくても立っていますし,10cmも埋めればほとんど動かない支柱になります。 羽子板(建築用の12mmボルトタイプ) を挿すと日曜大工で小屋やデッキを造るときに使う「羽子板付き踏石」にもなります。

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