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SSシリーズ欧州形 蒸気機関車

 2  車台組立

車台は定盤の上で組み立てました。接合箇所はすべてネジ留めでネジ穴の径は1/10mm程度のゆとりがあります。精度が向上するようにネジを締めていきます。
連結棒
蒸気機関車の魅力はなんといっても主連棒や連結棒の運動です。しかし,連結棒でつないだ車輪が滑らかに回転する機構は軸箱守の取り付けや,動輪の位相合わせなどを含めて完全に整合性がとれていなければなりません。

連結棒の長さを正確に作るのにも限界があるのでエキセンメタルを嵌めて微調整します。

片側3個の動輪を直線的に1本の連結棒でつなぐと凹凸のあるレール上ではバネ装置による各車輪への適正な荷重配分が行なえず連結棒には曲げの力がはたらきます。これに対処するため第2動輪のところに関節を設けて第1連結棒と第2連結棒の2本に分割します。

14第1連結棒 15第2連結棒 16エキセンメタル
上写真:粗加工された連結棒を整形し,ピンの穴にはリーマを通し,仕上げは1000番の耐水ペーパーと粉末の歯みがきで磨きました。ちょっと拭くだけで現在でも輝きを取り戻します。メタルは調整後半田付けしてしまいました。はずすと面倒になるので付けたままです。

車軸間の距離L1,左と右の連結棒の長さL2,L3は完全に一致(L1=L2=L3していないと車輪の回転にひっかかりを生じます。
これを避けるために偏心した穴をもつエキセンメタル(16)を連結棒に嵌め,メタルを回すことによって連結棒の長さを微調整します。最適な長さに調整後,メタルを連結棒に半田付けして固定します。
右写真:エキセンメタルをよくご覧いただくと僅かに穴の中心が上にずれているのが分かります。メタルが写真の位置の場合,長さ調整の必要が無かったことになります。
車台の組立
<A> 部品 1板台枠 2前・後端バリ受 3横バリ 4ストレッチャー をネジ留めして台枠を組立てました。7軸箱 は最初にリベット留めが済んでいます。

(下写真)部品の角が正確に90°であれば狂うことはありませんが,一応定盤の上で捩じれが出ないように組立てました。ネジは最初から強く締めずに全体を緩く留めておき,連結棒の動きや直角度などを確認した上で最終的にしっかり締め直しました。

<B> 8動輪 9車軸 10軸箱 からなるブロックを 7軸箱守の中に嵌め,11軸箱守控  12スプリング 13スプリングピン からなるバネ装置で固定します。

(下写真)写真右端の第3動輪 は軸箱を軸箱守に嵌めた状態,中央第2動輪は軸箱にピンを2本立てた状態,左端第1動輪は軸箱守控,スプリング,ナットを取り付けた状態です。

<C> 5煙室サドル 6ボイラー受け金具 を取り付け,14第1連結棒 15第2連結棒 も取付けました。必要に応じて 16エキセンメタル を調整します。

(下写真)ライブスチームでは台車枠,動輪,連結棒の間に完全な整合性がなければなりません。連結棒を取付けてレール上を滑らかに走る状態になれば台車枠/車台は完成です。
ネジ,ピン,ワッシャー類を除くと
(1)〜(16) の部品だけで走行に必要な足まわり部分が出来上がっています。このように自作ライブスチームは少ない部品数 ,単純な構造であることが条件になると思います。

「作る」と言い方は同じでも,「製作」と「組立」とではかなり違います。このキットは「製作」することが前提にあり「組立」に要する時間を1とすると,「製作」に要する時間は100倍 という感じです。
あくまでも自分で機関車の構造や製作方法を考え,製作技術も向上させながら,時間と手間を惜しまずに作る人のために用意されているキットです。

製作や組立についての細かな説明(書)といったものは無く,図面を頼りに作るので初心者(私)にはどの様にするのか分かり難い箇所が多くありました。ただ,1から10まで手とり足とりされないことはプラスの要素であって,自力で解決することが模型づくり本来の面白さを引き出してくれます。

 

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