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橋桁の製作
第3橋梁の橋桁は 1 主桁枠 2 横桁枠 3 腹板 4 フランジに分割できる構造にします。
腹板は主桁の中心になる部分で主桁と一体構造になって重量を支えますが,鉄板ではなく廃材(アクリル板)を利用して作るので,問題があれば他の素材に交換できるように主桁枠と分離できる構造です。
1 主桁枠

主桁は先ず鉄枠部分(右図のC,D,E)の部品をつくります。

通常,デッキガーダー橋は腹板にC,Dに相当する部品を取り付けて主桁を作るように思いますが,第3橋梁では腹板とは無関係にC,Dによって梯子状の主桁枠を作ることにしました。
腹板はこの枠組みに後でネジ止めして取り付けます。枠組が主体になった鈑桁です。

梯子状の主桁枠はアングル材を「T字形」に組み合わせる箇所(36箇所)の作り方がカギになります。
2,3通りの組み方で試作してみましたが部品Eを加える作り方が精度がよく,製作も楽でした。
EはC,Dを組合せたときにできる段差をなくすためにCの裏側に当てる板です。
この箇所の接合を溶接にすればEを使う必要が無く簡単そうです。しかし溶接は未知の領域でネジ止めでしか作れません。

同じ部品は形と孔開け位置を正確に作ります。ネジ止めによる製作は分解/再組立を繰り返すので,どのパーツとでもネジ孔が一致しないと苦労します。鉄橋だから大雑把でもよいとはなりません。

製作に使う材料は部品CとDが25×25mmの鉄アングル,部品Eが25mm巾のフラットバーです。ネジ止めで組み立てるためには孔開け位置が正確でなければならず誤差を極力減らします。

部品Dは腹板を等間隔に分割するように縦に並びますが,隅の1個だけは立てる向きを変えるのでこの箇所の穴の位置と部品Eの長さが変わります。

(上図) 橋桁には部品Eが8枚必要ですが,末端の1枚はアングルの部品Dの向きを180°回すのでサイズも変わります。

(下写真/左)出来上がった部品C,D,Eです。部品Dの巾3mmの溝はディスクグラインダーでカットすれば簡単に作れます。

(下写真/右)部品CをDに差込んだときの状態です。結合は5mmのネジ止めです。

 
2 横桁枠

第3橋梁は主桁枠部分と横桁枠部分を単独に作り,それぞれは更に細かい単品まで分解することができます。

機関車などと違って単品まで分解できる意味はほとんどありませんが,すべてがネジ止めなのでこのようになってしまいます。
鉄は錆が出易いので頻繁に再塗装しますが,主桁,横桁,腹板に分離すれば作業は楽になります。

右図のように,横桁枠の構成は部品F,G,Hの3角形を2つ組合わせた形です。材料には25mmのアングル(F,G)とフラットバー(H)を使います。

(左図) 横桁枠はアングル材(部品F,部品G)で長方形の枠を作り,対角線の位置にフラットバー(部品H)を入れた単純な形です。ネジも4本ですが主桁ほどの力を受けないので強度的には十分だと思います。

主桁枠との固定は部品D(主桁枠の部品)と部品G(横桁枠の部品)との間にアクリル板を挟み,背中合わせにして4本のネジで止めます。8個のネジ穴が一致している必要があります。

部品Hの先端のカットは正確な角度やサイズを決め難いので,原寸の図を描きそれに合わせた位置でカットしました。この方法なら簡単です。
(下写真)1個の横桁枠の部品と組み立てた形です。第3橋梁では36cm間隔でこの横桁枠が並びます。
 
3 フランジと腹板

● フランジ(右図,部品A)

巾50mm,厚さ3mmのフラットバーで作りました。フランジは主桁枠と横桁枠に跨る形になるので,上下のフランジでも主桁枠と横桁枠とを結合します。
実際のプレートガーダー橋に比べてフランジの巾が広いので左右の鈑桁(橋梁用語)のずれ(レール方向)を防ぐ働きをさせて鉄橋が変形しないようにします。
鉄橋を真上から見ると主桁と横桁が長方形をつくりますが,対角線の位置に横構を入れてトラス構造(三角形)にし,変形を防ぎます。
第3橋梁ではこのフランジに横構の代わりもさせるので上から見ても三角形(トラス構造)がありません。

フランジに枕木を載せたときネジの頭があると邪魔になります。そのため上側のフランジは4mmの皿ネジ止めにする予定でしたが,板厚が薄いので取り止めです。

(写真) 製作したフランジです。鉄橋の材料に使ったフラットバーやアングルは以前はどこのホームセンターにもあった材料ですがこの頃は素材からの施工が減っているのか販売している店が少なくなってきました。
資材としての需要減が原因とすると,鉄道模型と同じように「手づくり」が廃れて「既成品」の組立てに移行しているのかもしれません。

下図はフランジ(部品A)と腹板(部品B)のサイズと孔 あけ位置です。

● 腹板(部品B)

厚さ5mmのアクリル板です。アクリルが腹板に適している材料かどうか分かりませんが,錆びないことと必要な強度はありそうなので手元にあった廃材の中から選びました。
もし,アクリル板が不適当でも,鉄板などに簡単に交換できる構造になっているので問題ありません。

アクリル板の切断の仕方を調べると線状の疵を付けて折れば良いと書いてありますが,これは薄くて小さな板にしか通用せず長さ1.5m,厚さ5mmのアクリル板では無理な話です。3mm厚の板に深さ1mmの疵を付けて,これなら大丈夫と折って失敗したことがあります。

そこで,これまではジグソーでのカットです。この場合,刃の切れ味がすぐ悪くなり,刃が高温になって焼き付くので折れやすくなります。刃の消費量は馬鹿になりません。

別の方法を試みようと,今回はディスクグラインダーでカットとしてみました。
結果は良好で,熱によってアクリルが水飴の様に融けだし切断面に沿って盛り上がって付着します。
構わずに切るとジグソーの何倍もの速さで切ることが出来ます。
切断砥石の減り方は極わずかですみました。融けて付着したアクリルは固まってからペンチで折ると簡単に取り除けます。


使用した切断砥石はFRP・プラスチック用と表記されたものです。
(写真)アクリル板には多数の孔あけをしますが,主桁枠(部品C,部品D)に重ねて現物合わせであけるので簡単です。アクリル板と枠とをネジで固定し,枠の穴をジグにして多数の孔あけをしても短時間ですみます。
 

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