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橋梁の設計
そばな高原鉄道の線路は野外だけでなく屋内鉄道室駅舎も通過します。線路をそのまま延長して屋内に引込みますので屋根からの落雪が線路を直撃する場所を通過し対策が必要になります。

この箇所を鉄橋にすれば自然な形で特殊な条件にも対応できるので「第3橋梁」として架橋します。
野外を走る模型鉄道は様々な自然条件に耐える必要があります。気付いた問題点を解消する方法を考えて後々の「保線」作業を楽にします。
架橋場所の条件

右図は軒下を横切って鉄道室に入る箇所の線路の概略図です。
積雪地の屋根には雨樋が無いので屋根に降った雨は雨落ち線に沿ってすだれ状に直接地面に落下します。

その1
雨対策
軒先が低い平屋の屋根ならば山の強い雨でもそれ程心配はありませんが,2階建ての大屋根で集めて滝のように落下する雨水になるとかなりのエネルギーをもちます。
このような箇所は通常の軌きょうを敷設せず橋梁が適しています。
夏の夕立でも排水は万全で雨落ち線に沿って橋梁の間を雨水が通り抜けます。(雨水の跳ね返り対策になります。)

その2雪対策
冬には屋根から重量のある多量の落雪があります。雨以上に雪は破壊力があり,凍結した氷が混じっていると軌道を損傷する心配があります。(橋梁は落下物に対しても強い構造 です。雪も堆積させずに橋の下に落せます。)

その3鉄道景観として
架橋場所の線路は鉄道室への進入路になるので,鉄道室の「展望」窓の前を第3橋梁が横切ります。
目立つ橋になるのでデザインには凝りたいところですが,プレートガーダー橋に最適なサイズのアクリル板(廃材)があったので,この板を鈑桁(橋梁用語)に使用して見慣れたプレートガーダー橋で作ることにしました。
 
各部の設計
第3橋梁の橋台(橋梁用語)は新設する必要はなく,接続する高架線3の橋脚をそのままに第3橋梁の橋台にも利用します。橋台を新規に造るのは大変ですが支承(橋梁用語)部分を追加すればよいので,簡単に架橋できます。
製作はこの支承部分と上路プレートガーダー橋の橋桁です。プレートガーダー橋は主桁を橋台の支承に載せるだけで構造は単純です。
(1)橋台の支承部分

そばな高原鉄道は自然地形の林間に線路を敷設するので,最初に全体計画を立てるのは困難です。
トンネルを手始めに思いついたところを造り ,出来上がった様子を見ながら次を継ぎ足すという泥縄式です。
第3橋梁は条件的に上路プレートガーダー橋がよく,それに合わせて高架線3に支承を取付けます。
高架線3を造った当時は現在とは考え方が違い,下路の鉄橋を想定していたようです。橋台のページの写真 からそのことが分かります。橋台が向かい合って立っている形は下路であれば支承がすでに出来上がった形になっています。

右図は設計した支承です。第3橋梁はカーブする線路に接続するので支承の向きは現物あわせで向きを少し傾けて造ります。

コンクリートの型枠が作りやすいように直角で組み合わせた平面だけで構成しました。

図では分かりませんが型枠を設置するとき,既設ブロックの一部を欠いてコンクリートとブロックの付着がよくなるようにします。

支承として,10mmのボルトと高さ調整のナットを取り付けます。また,Pは橋桁上部の横揺れを止めるためのボルト/ナットです。
実際の鉄橋では可動支承になっている箇所も模型では軽い橋桁が簡単に動いては困るのでしっかり固定します。
 
(2)橋 桁

●製作材料

5インチゲージは現物の1/8.4の大きさがあり,模型といっても材料のサイズはかなり大きくなります。
当然,材料の入手が困難になることも多く,ホームセンターで揃う限られた範囲の材料で作るよりも廃材を活用する方がよい場合もあります。
一般に廃材は複雑な形で材質も様々ですが,長所となる特徴を生かしながら廃材で製作したことが分からない様に設計します。
廃材はものづくりには欠かせない材料になるので収集に努めます。ただ,あまり欲張ると家が「ゴミ屋敷」になる心配はあります。

橋桁で最も目立つ部分で構造上も重要な腹板ですが,腹板に使える鉄板は適当な購入ルートが無く入手できません。
第1橋梁のようにアルミ板にする方法もありましたが,廃材として厚さ5mmのアクリル板があったのでこれを使ってみることにしました。この板を大きさ1500mm×250mmにカットします。
薄いアクリル板は局所的に強い力がかかると割れる心配がありますが,5mm位の厚さでは強度がありかなりの力が加わっても割れないと思います。

腹板以外の材料は鉄のフラットバー(巾50mmと25mm,厚さ3mm)とアングル(25mm×25mm,厚さ3mm)です。
以前はどこのホームセンターにもあった材料ですがこの頃は素材からの施工が減っているのか販売している店が少なくなってきました。鉄道模型と同じように各種の工事も「手づくり」から既成品の「組立」に移行しているのかもしれません。
 
(3)基本構造

第3橋梁(上路プレートガーダー橋)は2枚の「板」(鈑桁)を平行に並べ,その上に軌きょうを載せた形です。(下図)

実際の鉄道橋でも巾が狭く長い上路の鉄橋を列車が渡る姿は危険な感じがします。第3橋梁の場合,巾が250mm (本当の有効巾はわずか127mm) しかなく,平均台の上を車輌が通過するような状態になります。

下路トラス橋ならばトラス部分が転落を防ぐ防護柵にもなりますが,人が通り抜けられる 大きな断面にするとデザイン的に「おもちゃの鉄橋」になってしまうので好みません。落雪防護柵を転落予防にも利用し,この鉄橋とは別に取り付けます。
橋桁各部の使用部品

部品の種類は次の8種です。形は少し誇張してあります。

A 厚さ5mmのアクリル板(廃材利用)
B 巾50mm,厚さ3mmのフラットバー
C,D 25mm角,厚さ3mmのアングル
E 巾25mm,厚さ3mmのフラットバー
F,G 25mm角,厚さ3mmのアングル
H 巾25mm,厚さ3mmのフラットバー
 

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