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橋桁の取付
橋桁の仮置き

足元が安定しない場所で重さ 約60kgの橋桁を地上2mまで持ち上げて仮置きします。

重い橋桁でも低い場所ならば持ち上げるのは簡単ですが,高さが2mになると踏み台や脚立を要する高さです。橋桁これらを使用して持ち上げるのには危険な重量です。

まず,ロープと滑車で吊り上げる普通の方法を検討しました。高い位置に滑車を固定するための足場パイプを組む必要があり,足場の設置・撤去などにもかなり時間を要します。

そこで既設の高架線の橋脚を利用し,2×4材の板(足場)を渡し,高架線側から橋桁をゆっくり水平移動させて架橋することにしました。

(写真)
橋台の両側に足場を設け,足場の上に高架線から橋桁を引き出してきた状態です。次は横に平行移動させて橋台に載せますがこれもかなりの力が要ります。
 
支承の製作

橋桁を橋台に仮置きし支承の位置と高さを決めるための測定をしました。

素人が巻尺と水平器のみを測定具にしてコンクリート工事をしているので4点の支承位置は設計どおりには造れません。工事完了後の位置で現物合わせの支承を作ります。

(右写真)楔形の木片を挟んで橋桁を水平にし,支障の高さと橋桁底部の支承位置を決めています。楔形の木片はシックネスゲージの代用になり,測定しにくい箇所ですが正確に支承の高さが分かります。

測定結果は高架線3側の支承の高さは左右共に12mm,高架線4側の支承の高さは21mmと22mmにすればよいことが分かりました。3側4側との高さ10mmの差は3,4の橋台のコンクリートを打つときに生じた誤差です。

実際の鉄橋のような形に支承を作りたいのですが高さ調整と固定方法が上手くいきません。結局,塩ビパイプを使った支承にしました。
支承1ヶ所あたり15〜150kg重程度の加重がかかります。強度的には塩ビパイプでも耐えられると思います。

左図が支承の構成です。機能的には固定支承で,高さ調節は塩ビパイプの切断長で簡単に変えられます。
塩ビパイプの中に上下からナットの頭を入れるだけですが橋桁の自重が大きく外れることはありません。
(右写真)支障の部品の塩ビパイプ(高さ21mm)と上下からパイプに挿し込むナットです。ナットの対角寸法が11mm,パイプの内径が13mmなので 上下の]ナット中心線は2mmの誤差までは許容します。

第3橋梁は真横から見ることが多く,橋台の形や橋桁を支える支承も気にな る箇所です。

身近にある鉄道橋を至近距離で観察できるのは東京近辺では都心部の山手線や中央線の高架下に限られます。下の道路からプレートガーダー橋を見上げることになります。

観察できるのは橋台と支障の部分が主で橋の上部や橋桁全体はよく見えません。そのような事が橋桁の支え方にこだわってしまった理由の1つ です。
(左写真)
鉄橋の中では 錆が出やすく,分解しないと塗装しにくい箇所が支承部分です。ステンレス,アクリル,塩ビを組み合わせて腐食を防ぐようにしました。
 
橋桁の固定
橋桁を橋台に固定するのは支承ではなく橋桁の上端に取付けた金具です。

(左写真)取付金具は完成した橋台に合わせて形 が決まるので少し不細工な形状になりました。

金具の橋台への取り付けはボルトです。ボルトに大きな力がかかっても耐えられるように,太さ3/8インチの寸切りボルトをコンクリート中に深く埋め込みました。

(右写真)金具で橋桁を橋台に固定した状態です。
上に載せる軌きょうが当らない様にボルトの頭 は低く下げてあります。


 
 
橋桁の設置

橋桁部分が所定の場所に取付けられました。

橋梁上の軌きょうは接続部が曲線路になるので出来上がった橋桁に合わせてあらためて設計します。

腹板の材料をアクリル板にしても問題がない様です。
鉄部との区別もつかず外見的には「鉄橋」になりました。
 

(写真)アクリル板の長所は錆びないことですが, 別の効果もありました。

鉄板は塗り重ねると鏡面になりやすいですが,アクリルは簡単につや消しにすることができ,重量感が増すように思います。
橋桁上面は地上2m20cm,巾25cm, 工事中でも怖くて歩いて渡れません。

軌きょうを設置して完成後は転落防護柵と屋根からの落雪対策が必要です。

 
 
 

第3橋梁   5  橋桁の取付



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