そばな高原鉄道軌条の敷設分岐器枕木(表示中)

 
 鈍端トングレール分岐器

枕 木 急行 home  行き↑(クリック

枕木は耐水,耐腐食性のある堅木のイペです。 分岐器の枕木は様々な長さのものが必要になりますから,端材が少なくなるように割り付けを考えて板材をカットして作ります。
(1) 枕木の製作

●枕木の間隔
実際の鉄道の分岐器では枕木の間隔を通常よりも狭くしているようですが,特に変えず通常の間隔7.7cm(そばな高原鉄道の規格)にし,一部のみ5.13cm(通常の間隔の2/3)にしました。

枕木番号を基準線(鉄道用語)方向の目盛の代わりにして設計・製作すると便利 です。枕木は正確に等間隔に配置します。
枕木番号nの枕木は,
鈍端トングレールの分岐点Pからx=7.7n〔cm〕になります。n=4とn=6の枕木A,Bは例外です。

●枕木の長さ
1本の枕木に基準線(直線)と分岐線(円弧 )双方のレールが載る枕木は枕木番号n=0〜12の13本で,この番号の枕木は1本毎に長さを変えて下の式によって計算することにしました。
式は分岐器に接続する軌きょうの枕木の長さが24cmなので,この長さに基準線と分岐線間の距離を加えた長さになります。

枕木番号n(=0,1,2,3,・・・,12)の枕木の長さ ℓn〔cm〕 は
    ℓn=24+R-
{R2-(7.7n)21/2より
    ℓn=224-
{40000-59.29n21/2                      
ただし,n=4とn=6の枕木はAとBに分かれているので,A:n-0.33,B:n+0.33として計算します。

●2タイプの枕木
設計の際はレールの配置図が描けるとそれ以上は深く考えませんでした。製作に取り掛かると鈍端トングレールと尖端トングレールとでは「尖端」を「鈍端」に変えた程度の違いではなく,本質的に異なる部分があることに気付きました。そのために設計変更,枕木の一部を作り直すことにもなりました。

 
構造上の問題点

尖端トングレール分岐器は全体が一体化した1つの<軌きょう>になりますが,鈍端トングレール分岐器はトングレール部分で分離されるので,2つの<軌きょう>を並べた構成になります。(参照 :全体図)

その上,鈍端トングレールの部分は可動レールのみなのでこの個所の枕木はレールとの締結もなく,個別にバラストの上に置かれている形になります。

簡単に言えばこの部分はレールと枕木がバラバラに並んでいるだけで<軌きょう>に組まれているわけではなく,レールには継ぎ目板もないので線路としては途切れている状態になります。
車輛を走らせるためにはトングレールを載せている枕木を固定することと,トングレール部分の左右に並ぶ2つの<軌きょう>を一体化する構造を考えなければなりません。

枕木を固定し,分離した2つの軌きょうを結合する方法として,薄い枕木を作り,アクリル板を下に敷き,アルミアングルを枕木の上に渡して 枕木を挟んでネジ止めします。(右上図)

この構造ならばレールに締結されていない枕木(上の枕木写真の枕木番号n=1,2)が固定 され,隣接する数本の枕木(n=-2〜0および3〜5)も薄型枕木にすることで「分離した2つの軌きょう」を一体化することができます。
仮設の線路であれば「見かけ」と「腐ること」を気にしないので,1枚の合板に分岐器全体を載せて枕木を固定してしまえば一体化の問題はおこりません。

 
(2) 土台付き枕木

アクリル板

土台にするアクリル板が極力目立たない様にするためにアクリル板の幅を枕木の長さに揃えました。上式で算出される枕木の長さに合わせてアクリル板をカットします。
アクリル板をジグソーでカットしましたが,厚さ5mmの板では刃の切れ味がすぐに悪くなるのか,高熱が発生して刃が板に焼き付くことがありました。

枕木

枕木は厚さ15mmのセラガンバツ材の板です。材質はウリンには及びませんが,ウリンを目的のサイズにカットするのは大変な作業なので妥協しました。
自作の良い点で枕木の改良や交換も簡単です。ネジを外して新しいものに差し替えるのに1本あたり5分もかかりません。@塗装の必要が無く,A硬い木であれば枕木に使えます。

アルミアングル

そばな高原鉄道は常設軌道ですが,冬季など長期間使用しないときは軌きょうを取り外し保管場所に移すことも可能にしています。
重量のある軌きょうを移動するには変形し難い構造ににしておく必要があり,アクリル板だけでは不十分なので補強目的のアルミアングルを取り付けます。
目立たない細いアルミアングルを使いました。作ってみると強度が足りない感じがします。試作段階はこのままで,必要があればもっと頑丈なものに変えます。

片開き分岐器 枕 木



基本設計レール