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駅舎小屋/屋根葺き

(1) 屋根葺きの材料

駅舎の製作で最も気がかりだったのが屋根葺きです。
はたして日曜大工のレベルで屋根が葺けるものなのか,特殊な材料や器具を必要とするのではないのか・・・・等々,初めて取り組む屋根工事はどの様な障害に突き当たることになるのか心配です。
ものづくりの知識は完成した物を分解したり,道端で工事を”密かに”観察して得ているだけなので,工事の様子を見たことがない”高い所の事”は完全に空白領域です。

自分で作ることには特別の価値があり,私の鉄道模型趣味は自作することを前提にしています。不完全な出来であっても自分の力の及ぶ範囲で完成させることを選びます。誰かに作ってもらうのは最後の手段です。

今回の屋根葺きもこの考え方で,webサイトで集めた知識を元に自己流にアレンジし,以下の材料を3ヶ所のホームセンターをまわって調達して工事に着手しました。

材料
アスファルトシングル アスファルトルーフィング シングルセメント  トタン板 トタン釘 ステンレストラスネジ(シングル釘は使用せず,ネジにしました。参照

 

(2) 屋根葺きの工程

製作手順
1 トタン板を帯状にカットして3箇所を折り曲げ,「水切り」を作ります。
2 屋根パネルに「水切り」取り付け,アスファルトルーフィング張ります。

-1の製作過程-
 
トタン板(910×1820mm)をカットして長さ1820mmの「水切り」を10本作りました。
折り曲げる箇所は両端と中程の3箇所です。曲げ方は簡単でトタン板を2枚の当て板で挿み,当て板からはみ出した所で鋭く折り曲げる様に木槌か木片で叩きます。クランプで数箇所をしっかり押さえて木槌で強く叩いてもトタン板が当て板からずれないように 固定するのがコツのようです。(写真と図/左下)

調べてみると,本格的な住居の屋根ならば「軒先水切り」と「けらば水切り」の2種が使用される様ですが,簡単な小屋であり複雑な形に作れないのと費用節約を兼ねて同じ断面にしました。
横方向の「軒先」と縦方向の「けらば」を連続して1本の水切りで間に合わせるので,コーナーでの接続がなくなり,水切りの一部を鋏で切り欠いて直角に曲げるだけでコーナー部が出来上がりま した。(上写真/中)

-2の製作過程-
屋根の周辺部のアスファルトルーフィングはシングルセメントで「水切り」とトタン板とを貼り合わせました。アスファルトシングルの「のりしろ」分だけルーフィングは トタン板より小さくしました。(上写真/右)

製作手順
3 アスファルトシングルをカットして「スターター」を作りました。
4 「スターター」を屋根パネルに固定,その上に重ねて1段目のアスファルトシングルを葺きま す。
5 2段目以降,偶数段目のアスファルトシングルは両端に半裁のものを貼り,アスファルトシングルの付き合わせ部が1段毎に1/2幅だけ左右にずれるようにします。
以後は同じ要領で棟までアスファルトシングルを葺きました。

-3の製作過程-
「スターター」は専用のものではなく,標準のアスファルトシングルを規定のサイズにカットしました。
初めのうち,アスファルトシングルをカッターナイフで切るのが大変でしたが,裏面にカッターナイフで2回切り込みを入れると簡単切り離せることが分かりました。
表側には硬い砂状粒子が付いているのでカッターナイフがすぐ磨耗してなかなか切れません。上手い切り方が無いかと試しに裏面から切ってみると楽に切れます。


「スターター」から順番にシングルセメントを要所に塗りトラスネジで固定する方法でアスファルトシングルを葺きます。
割り付けは下図のようにしました。屋根末端のアスファルトシングルは落雪時に氷塊から強い力を受け,折り曲げられる可能性があるのでアスファルトシングルの出を少なくし「 水切り」トタン板の端から10mmにしてみました。

-4の製作過程-
「スターター」と1段目のアスファルトシングルを葺き終わりました。
赤印の位置がネジ止め箇所でアスファルトシングル1枚につき4ヶ所(スターターは8ヶ所)です。(写真)

-5の製作過程-
2段目の両端は半裁のアスファルトシングルを貼りますから,シングルセメントを黒点で示したL形に塗布してこの部分の上に重ねます。(写真)
写真で反射光が白帯状に光っている所が製造時に塗られていたシングルセメントです。黒点で示した位置に帯状にシングルセメントを重ね塗りして2段目を貼りました。

製作手順
6 棟まで葺いて棟を越えたアスファルトシングルは反対側に曲げてネジ止めします。
7 反対側の面も 3〜5 の手順で葺きます。

-6の製作過程-
シングルセメントだけでは 固化するまでに浮き上がるところがあり,粘着テープで細かく留めました。
使用しているトラスネジはシングル釘よりも頭が高く出て,上に張り重ねたときアスファルトシングルが浮き上がりやすいようです。


最上段(12段目)のアスファルトシングルの先は棟の高さを越えました。越えた部分を棟の反対側に折り曲げ,ネジ止めしました。(写真 )
アスファルトシングルは緩く曲げることはできますが,狭い範囲を強く曲げると折れる恐れがあります。

製作工程
8 棟に使用するアスファルトシングルを必要枚数カット
9 棟のアスファルトシングルを葺く

-8の製作過程-
棟部分を葺くアスファルトシングルは専用のものではなく,通常タイプのものをカットして作りました。
下図の葺き方の場合,必要枚数はスターター(168×305)も含め30枚になりました。

-9の製作過程-
棟は左右の面を葺いた最上段(12段目)のアスファルトシングルを反対側に折り曲げて重ねます。
反対側に重なる面が広くなったので,この状態でも棟からの雨漏りは完全に防げそうです。
それでも棟部分の見かけを良くするのと正規の工法に近付けたいので棟も葺いてみました。

(写真右)強風で捲れ上がらないように,シングルセメントを多めに塗布し,固まるまで粘着テープで押さえています。
唐松の落葉期は箒で掃く傍からすぐ積もり屋根は粉を被ったように写ります。

 

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