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部品製作

普通,分岐器(や移線器)のトングレールは”尖端レール”が使用されています。このB形移線器は自動化する方法として”鈍端レール”を使用します。
尖端と鈍端の違いは見かけ上はトングレールの形ですが,軌きょう本体の構成に大きな違いがあります。
鈍端トングレールにも利点があるのに何故使用されないのか?・・・その理由は実際に製作してみると,此処だな・・・と分かる気がします。( 記

尖端レールの場合・・・軌きょうは枕木の長さと間隔を変えるだけで同じ様に作ることができます。
鈍端レールの場合・・・分岐器全体の変形を防ぐ”外枠”の役目をする基本レール参考の一部をトングレールに置き換えますから,トングレール部分を挟んで前後の軌きょうは分断されます。分離を防ぐために前後の軌きょうを(底板や補強金具を取り付けて )一体化しなければなりません。
模型ならばこの結合も簡単ですが,昔の鶴嘴(ツルハシ)で保線作業をしていたレベルでは精密で頑丈な固定をするのは困難な作業だと思います。

尖端トングレールには強度や作り難い形状などの弱点があります 。それにもかかわらず広く使われています。鈍端トングレールが採用されない最大の理由は上記の点( 軌きょうの結合)ではないかと思います。
模型を「自分で作る」ことはそれ自体が楽しみですが,製作しながら製作対象物の長所や短所,先人の努力や工夫,・・・角度を変えた視点からも眺めながら作っていることに気が付きます。「知っている=知識」と「分かる=理解」は根の深さが違います。「自分で作る 」ことが「知識」で立ち止まらず「理解」にすすめると思います。

 軌きょうの部品製作

枕木と補強金具のカットと組立*1

B形移線器の枕木は特殊なものを作る必要がなく,予め準備してある通常の枕木を使いました。

樹種はセラガンバツ材,サイズは 24×20×250 (mm)です。
枕木の本数は軌きょうの全長が1000mmなので13本になります。
写真:トングレール部分を挟んで左右の軌きょうが分離しない様に枕木(No.3〜10)を補強金具(アルミアングル)で一体化します。

レールとガードレールの製作 

レール  加工が大変な尖端トングレールを使用しないのでレールはカットと側面の穴あけのみで,至って簡単です。

合計8本のレールを作ります。2本が鈍短トングレール,5本が普通レール,1本が見かけを良くするために普通レールを使うガードレールです。


並列鈍短トングレールの隙間は5mmに設計したので,ガードレール部分も含めて長さ11mmの真鍮パイプをセパレータにして3mmのネジ止めにしました。
(右写真)中央 のレールがセパレータを入れて組立てた鈍短トングレールです。

ガードレール 電線の保護に使うメタルモールのベース(側)を加工して作りました。

レールより細く,色を塗ると目立ちません。取り付けは犬釘を使わずレールにネジ止めするので隙間調整や取り付けの手間がかかりません。
(右写真)右側の2本がガードレールです。切り欠きは犬釘に当たる箇所です。

鈍短レール受け金具 鈍短トングレールはバネの はたらきで定位(鉄道用語)に保持されます。
バネで押し(引き)されるトングレールを定位の位置に止めるためのストッパー(受け金具)を付けました。
(左写真)レール側面(回転軸b側)に取り付けた受け金具です。トングレールを所定の位置で止めるストッパーとしては他の方法も考えられますが,継ぎ目板に似た金具にするのが作り易く,機能的にもよい様です。

 回転軸と軸受け部品の製作

部品Aと部品B *2

部品a 鈍短レールの架台(部品a)は真鍮板と真鍮レール(戸車用),3mmネジを材料にして半田付けで作りました。

(写真/右側)
V字形の断面をした真鍮レールは127mmレールの底部を横から挟むのに適しており,強度と加工の点で使い易い材料です。

部品b 架台を載せる台はアルミ板で作りました。長穴は直線ではなく,半径17cmの円弧になっています。
また,一端を拡げて架台の回転軸の頭を通します。口を開いた顔に見えるように止めネジの穴を目の位置にしました。(写真/左側)

バネとバネ箱

野外の条件に合わせてバネはステンレス,箱に入れて保護します。目立たないように箱はこげ茶色のアルミ角パイプを加工しました。

(右写真)枕木間に収まるようにするため,引きバネと押しバネの2種を使います。
同じ造りの箱ですが,写真の手前は引きバネ,奥は押しバネのタイプとして完成させた状態です。

 
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