そばな高原鉄道軌条の敷設分岐器>製作(1)(表示中)

 振り分け分岐器
製作-1

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トングレールとノーズレールは磨耗や衝撃に耐えられる様に鉄レールを使用しました。
この2つのレールの形が分岐器の機能を左右しますから,どのように作るかがかぎです。
(1) トングレールの形

デュアルゲージの分岐器はレールの交点が多く,トングレールは5本も必要になります。(通常タイプは2本です。)
長さは L=320mm の長トングレールが3本,170mm と190mmの短トングレールが各1本です。

製作上の注意点は,トングレールの 先端Oを基本レールに密着させることと,薄く加工したときの強度を保つことです。

ポイント後端Pとリードレールをつなぐヒンジも重要な部分です。継目板を緩めてつなぐ滑節構造(右図A)は回転軸が一定せず,トングレールの保持にも甘さがあると感じ,より確実な関節構造(右図B)を考えてみました。(次ページに製作の写真があります。)

(2) トングレールの製作

尖端の形状が特に重要なので,この部分は丁寧に作りました。まず,グラインダーで大体の形をつくってからフライス盤で出来るだけ正確な面に削り,最後にヤスリで曲面に仕上げます。

(右写真) 短トングレールの先端です。完成したレール(右側)とフライス盤加工が済んだレール(左側)を並べてみました。
左側レール断面の横の突起は補強のためにレールの頭の一部を削らず残してあります。最終的にはこの部分の尖端もヤスリで整形して右側の形に仕上げます。

(左写真)枕木の上に基本レールも置いて,トングレールとの接触状況をチェックしています。

写真で左右両側に並べた(5インチゲージ用)レールは密着しているので完成です。
中央の(3インチ半ゲージ用)レールはグラインダーでの荒削りが終わった段階で,これからフライス盤で加工します。

 

(3) ノーズレール(鼻端レール) の形状

右図のように,ノーズレールは2本の鉄レール(鼻端長レールと鼻端短レール)を組み合わせた古くからあるタイプです。

クロッシング角θを正しく削ることが必要なので,削る長さL をクロッシングの番数から近似計算して,正しい角度に近付けるようにしました。

レールの頭の幅8mmとL からcot(θ/2)を近似計算すると番数の式は
              番数=(1/2)cot(θ/2)≒(1/2)×(L/4)=L/8  となりますから

2ヶ所のクロッシングの番数(設計のページ参照),4.5と3.9より
(3インチ半ゲージ) 
 L=8×番数=8×4.5≒36mm    (5インチゲージ) L=8×3.9≒31mm

(4) ノーズレールの製作

2本のレールを組み合わせてノーズレールを作ります。接合箇所の2平面が正しくないと捩じれが生じます。グラインダーとフライス盤を使って,接合面を削りだし,次に2本のレールを仮に半田付けしてV字型に組み立てます。

このV字型のままボール盤で2本のレールを貫通する穴を開けて,真鍮パイプで作ったセパレータを入れ,ネジ留めすると完成です。

(上写真) 2本のノーズレールは溶接するのが良いのかもしれません 。溶接はやったことが無いのでネジ留めです。強度的にはネジで十分で,ネジ留めは分解/修正も簡単なので好きな工作方法です。

(左写真)枕木上には3インチ半ゲージ用と5インチゲージ用のクロッシングが連続して並びます。ウイングレールを分けて作ることが出来ると楽なのですが,継ぎ目板を入れるスペースが無いのでノーズレールと一体化しました。
他の部分を作る前の段階なので目安になる円弧がなく,この箇所だけを正確に作るのには結構苦労しました。

製作メモ ●トングレール・・・トングレールと基本レールは密着させるので同時に作る必要があり,1箇所作るのに5時間位かかりました。更に,関節構造のヒンジを5箇所つくり,製作時間は・・・・合計で約33時間

●ノーズレール・・・・ノーズレールと一体化しているウイングレールを鋭く曲げるのが大変でした。アルミ レールならば切り込みを入れると素手でも曲がりますが,鉄レールはハンマーで叩いてやっと曲がります。製作時間は約12時間

フライス盤を使い始めた初心者なので,機械に慣れることが上達の早道と,手間を惜しまず細かく切削位置を調整しました。その分,時間を多く費やしています。
鉄レールを使わずアルミレールにすると柔らかいのでフライス盤も使わず金鋸とヤスリで十分だと思います。アルミは加工が楽なので鉄レールの半分くらいの時間で作ることが出来ると思います。
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