そばな高原鉄道軌条の敷設分岐器>転轍操作(表示中)

 振り分け分岐器
転轍操作

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ポイントの切り換え操作は手動によってを行います。この部分に脱線防止の機能を取り入れたので特殊な構造になっています。
操作の機構

不適切な方向からの進入があるとトングレールが対応して動き脱線を防ぎます。
このため,トングレールを強制的に転轍する機能以外にトングレールの束縛を解いてある程度自由に動くことが出来る状態にします。

具体的には次のA〜Cの操作をワイヤーシャフトを使って行います。

   A 基準線側への転轍
   B 分岐線側への転轍
   C トングレールが自由に動ける状態

(右写真) A〜Cの切り替えをする部分 =「操作器」と名付けた部分です。

「操作器」の機能の概略を下図で説明します。現在は図とは異なる改良型に交換されています。

(1) 基準線選択ボタンを押すと矢印(→)の向きに各部が動き,操作器のリングによってツメがAの位置に動かされポイントは基準線側に入ります。

(2) 同様に分岐線選択ボタンを押すと操作器のツメはBの位置に移動してポイントは分岐線側に入ります。

(3) ボタンが押されていないときは2本のバネの力によってリングはCの位置に保持されています。この状態ではツメはリング内を自由に動くことが出来るのでトングレールも束縛を解かれ,フランジからの横圧によって脱線を避ける位置に移動することが出来ます。

フランジの横圧がわずかでもトングレールは軽快に動かなければなりません。そこで5本のトングレールを一度に動かさず,2回に分けて動かします。そのためにツメが2組分並んでいます。
ツメは前ページ
転轍機構の※1の真鍮外筒に付いており,バネを介して転轍棒を動かします。 このバネのためにリングの規制領域よりも,もっと拡がります。

機構部分には風雨と砂塵除けの保護カバーを取り付けました。土や砂が付着したときは圧力をかけた水で洗う構造ですが,洗う回数を減らすために覆っておきます。

(右写真) カバーはアルミ および真鍮製で塗装後は同じ材質に見えます。高さは枕木の上15mm〜20mmの範囲で,レール面とほぼ同じ高さに収まります。

「操作器」の改良タイプ
ワイヤーシャフトによる操作には大きな力が必要で無駄な力を省いてより軽く動かす方法を考えてみました。
無駄な力が多いのはリング,ツメ,バネの部分でこの部分を取り去った構造です。

(写真/左) ツメとリングがありませんが操作の考え方は上記(3)と同じなのでほぼ類似の動きをします。
この改良でワイヤーの移動範囲を4cmから1.5cmに,必要な力の大きさを2/3程度に軽減しました。

(写真/右) 上図に描いてあるバネを取り去った 操作部分です。バネが無くても操作器の構造変更によりテコの原理でトングレールは容易に束縛状態から抜けだすことが出来ます。
操作の確実性のために1つのボタンの<押し-引き>ではなく,2つのボタンのいずれかを<押す>操作でポイントを切り替えます。

 製作メモ  ワイヤーシャフト・・・・ 走りながら前方のポイントを切り変える方法として,ワイヤーシャフトを使うことを思いつきました。
ワイヤーシャフトは買うつもりでしたが意外に身近にありました。古自転車のブレーキに付いています。ブレーキとは機能が異なるのでワイヤーをピアノ線に変え廃物の再利用をしています。
問題点はワイヤーシャフトの摩擦力が想像以上に大きく,操作に力がいることでした。
●転轍押しボタン・・・・白色陶器製のつまみを4mmの真鍮棒にネジを切って取り付けてあります。 本物の鉄道用押しボタンスイッチと言っても信用されそうです。(ホームセンターで@147円です)
(上写真)

 余談  普通の分岐器ではスプリングポイントにすればどの方向からの進入でも脱線することなく通過出来ます。ところが3線式(デュアルゲージ)ではうまくいきません。
理由はスプリングポイントは背向からの通過に対して有効な手段であり,対向に相当するトングレールがすべての方向に必ずある3線式では通用しないからです。
脱線防止の為にはポイントの自動切り替えが必要で,一つの試みとして製作したものをご紹介しました。まだ,改良の余地が多く残されています。
(注)3インチ半と5インチ車輌を連結して走らせるのでなければ,スプリングポイントに準じた方法も可能です。

分岐器 転轍操作

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